![]() 強塩基を含有するオイルフィルタおよびそれらの使用方法
专利摘要:
油または燃料から酸を捕捉するための新規フィルタエレメントと、該フィルタエレメントを構成する強塩基フロックと、それらを作成および使用する方法とを開示する。前記フィルタエレメントは、強塩基粒子が相互に分散されている機械的に連結された連動する繊維マトリックスを有し、該強塩基粒子は、該フィルタエレメントの少なくとも30重量%を構成する。一定のフィルタエレメントは、一定の油または燃料中の酸または中和された酸、例えば、内燃機関の燃焼および潤滑システムにおいて発生する酸若しくは油循環システムにおける油に含まれるものの捕捉に有用である。他のフィルタエレメントは、油の酸化を減らすのに有効であり得る。 公开号:JP2011514239A 申请号:JP2010545147 申请日:2009-01-29 公开日:2011-05-06 发明作者:ブランナウェル、ダレル、ダブリュー.;ロックレッジ、スコット、ピー. 申请人:ルーテック、エルエルシー; IPC主号:B01J20-04
专利说明:
[0001] 関連出願の相互参照 本出願は、2008年2月1日付で出願された米国特許仮出願第61/025,639号および2008年11月4日付で出願された米国特許仮出願第12/264,792号に対する利益を主張するものである。これらの内容は、この参照により本明細書に組み込まれる。] [0002] 本発明は、固体塩基含有オイルフィルタ内への燃焼酸の捕捉に有用なフィルタエレメントであって、強塩基フロックを含むものである該フィルタエレメント、ならびにそれらの作製方法およびそれらの使用方法に関する。] 背景技術 [0003] 内燃機関(例えば、ディーゼルエンジン)が最適に機能するには、燃焼酸、例えば、アルキル基を有するまたは有さない、カルボン酸、硝酸、亜硝酸、硫酸および亜硫酸を、それらが最初に潤滑油と接触する場所または場所付近、すなわちピストン付近で、中和する必要がある。この酸中和がないと、エンジンは腐食し、潤滑油はゲル化し、粘度が急速に上昇し、エンジン堆積物を形成する。これらの作用に起因して、油消費およびエンジン摩耗の増加が生ずる。] [0004] 従来、金属含有洗浄剤、例えば、過塩基性バリウム、カルシウムまたはマグネシウムスルホナートまたはフェナートは、潤滑油システム中の燃焼酸を中和する(米国特許第2,316,080号明細書、同第2,617,049号明細書、同第2,647,889号明細書、および同第2,835,688号明細書参照)。金属洗浄剤が不在である潤滑油の場合、ポリエチレンアミン系分散剤または他の無灰分散剤が燃焼酸を中和する(米国特許第3,172,892号明細書参照)。内燃機関潤滑油中の燃焼酸を有効に中和するために必要とされる負荷量で、無灰洗浄剤は、灰含有洗浄剤より費用効率が劣る。結果として、無灰分散剤は、それらの費用があまり問題にならない場合は、主としてエンジン清浄度を維持する目的に追いやられる。] [0005] 金属洗浄剤を含有する十分に配合された潤滑油は、燃焼酸の中和に非常に有効である。この中和は、腐食の防止およびピストン堆積の低減に役立つ。しかし、高い洗浄剤濃度では、金属洗浄剤がピストン上に堆積して、洗浄剤による望ましい改善が相殺される。例えば、一部のピストン上の堆積物は、洗浄剤に由来する34%以下のカルシウムおよびマグネシウムを含有する。Schetelich et.al.,「The Control of Piston Crown Land Deposits in Diesel Engines Through Oil Formulation,」Soc.Automat.Eng.Tech.,Pub.Ser.861517(1986)参照。] [0006] 米国特許第4,906,389号明細書、同第5,068,044号明細書、同第5,069,799号明細書、および同第5,164,101号明細書には、オイルフィルタ内に位置する強塩基の使用を開示している。ピストンによって送られる燃焼酸は、分散剤中の弱塩基添加剤によって中和されるものとみなされる。油の中に含まれている分散剤が、フィルタ内の強塩基に燃焼酸を運ぶ。そのオイルフィルタ内で、燃焼酸は、弱塩基分散剤から強塩基へと移動し、捕捉される。分散剤は、潤滑油中に残存し、ピストンに戻り、そこでさらなる燃焼酸を中和することができる。同時に、その油の中の灰含有洗浄剤が燃焼酸を中和しており、それをフィルタへと輸送しており、そこでそれを捕捉することができる。オイルフィルタ内に燃焼酸が捕捉される程に、ある一定の利点が生ずることがある。第一に、灰含有洗浄剤の濃度を上昇させずに、追加の燃焼酸を中和することができる。第二に、油抜きの間隔を増すことができる。第三に、中和することができる燃焼酸の量を減少させずに灰含有洗浄剤の濃度を減少させることができる、または使用者が彼若しくは彼女の特定の要求に合うように上述のものの何らかの組み合わせを選択することができる。オイルフィルタ内に有効に固定することができるおよび有効な中和剤である様々な強塩基としては、酸化バリウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、アルミン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、酸化亜鉛、またはそれらの混合物が挙げられる。] [0007] 同様に、米国特許第5,164,101号明細書、PCT公報WO2006/066767およびWO2006/066768それぞれには、内燃機関、特に、ケミカルフィルタを有さない排気ガス再循環(exhaust gas recirculation:EGR)システムを伴うエンジン、における循環油から燃焼酸を除去するために固定化塩基との組み合わせで少量の一定の弱塩基(油溶性スクシンイミド)を含有する潤滑油の態様が開示されている。前記2つの公報には、先に発行された米国特許第5,164,101号明細書とは対照的に、特定の分子量のスクシンイミドを利用するときに改善される性能が開示されている。] [0008] 他の米国特許および米国特許出願には、強塩基オイルフィルタの種々の態様の最適化が開示されている。例えば、米国特許第6,537,453号B2明細書には、三つの酸中和成分のうちの1つ、すなわち粉砕石灰石、炭酸カルシウムまたは炭酸マグネシウム、を使用するオイルフィルタの特別な設計が開示されている。] [0009] 米国特許出願第2006/0000760号A1には、オイルフィルタ内の酸中和性化合物に油を向けるために油圧を制御するベンチュリ装置を含む特別なオイルフィルタ設計が教示されている。] [0010] 米国特許出願公開第2004/0178142号には、活性粒子がその中に固定された一体紙が開示されており、この紙は、約1000nm未満の平均直径を有する多数のフィブリル化繊維を有し、この紙の細孔径は、約2μmに等しいまたはそれ未満である。固定させることができる活性薬剤のリストは、酸化マグネシウムを含む。この出願には、潤滑油と接触している前記一体紙を有する潤滑油濾過装置が、さらに開示されている。] [0011] 米国特許第7,250,126号B2明細書には、強塩基を紙に組み込むためのプロセスが開示されており、その後、その紙は濾材として使用される。この出願は、必要な強塩基のグラム数を最小にするために低い分子量と二価の化学的性質とを有する強塩基を選択する価値をさらに強調している。加えて、米国特許第7,250,126号B2明細書には、液体濾過システムにおける液体フィルタのための酸中和性濾材が開示されており、ならびに10マイクロメートルより大きい強塩基粒径は、エンジン潤滑システムにおいてエンジン摩耗を減少させることが公知であることがさらに開示されている。米国特許第7,250,126号B2明細書には、強塩基フィルタエレメント内で強塩基を凝集塊にするための接着性結合剤の使用も開示されている。] [0012] 米国特許出願公開第2006/0261004号A1には、強塩基オイルフィルタの容量が、被定義最小径の細孔に付随する表面積に直接関連していることが開示されている。] [0013] 米国特許出願公開第2006/0260874号A1には、潤滑油中の洗浄剤の代わりに強塩基を使用することによりその油の中の洗浄剤を減少させるかまたはなくすことができ、そしてまた、その結果として、ピストン堆積レベルを調節することができ、排出物処理装置の効率を向上させることができ、またはどこにでもある油用摩耗防止添加剤、ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDDP)の性能を向上させることができることが開示されている。] 発明が解決しようとする課題 [0014] しかし、これらの開示は、強塩基を含有するオイルフィルタの商品化につながっていない。フィルタから潤滑油への強塩基の移行が依然として問題である。塩基移行(および関連した過剰なエンジン摩耗)を制限する試みは、例えば反応性表面積の減少により、強塩基の中和能力を減少させた。潤滑油中の高い灰含有洗浄剤レベルを必要とすることなく、および/または洗浄剤に関連したピストン堆積物の蓄積を伴うことなく、燃焼酸中和を達成するという長い間感じてきた要求は、依然として存在する。本発明の目的は、潤滑油中の高い灰含有洗浄剤レベルを必要とすることなく、および/または洗浄剤に関連したピストン堆積物の蓄積を伴うことなく、燃焼酸中和を達成することができる、商業的に実行可能な強塩基含有オイルフィルタを提供することである。] [0015] 使用すると、非水性液体およびガス状流体中の酸性化合物を捕捉することができる、新しくてより良好なフィルタエレメントが必要とされている。内燃機関用の潤滑油の場合、捕捉は、その流体中の洗浄液の寿命を延長し、有用性を拡大することができ、ならびに油抜きの間隔を延長することができる。さらに、酸素が存在するシステムには他のタイプの酸化がつきものである。これらの酸化は、有機酸を生成し、これらのプロセスの速度は、酸によって触媒される。一旦形成されると、これらの有機酸は、通常、分散剤または洗浄剤によって中和されず、これらの酸のレベル増加は、それらのよりいっそう高い生成速度につながる。それらの形成速度は、強塩基マトリックス内への酸の捕捉および/または強塩基マトリックス内での酸の中和によりこれらの酸のレベルを低下させることによって抑制することができ、そしてまた、このことによってその流体の有効寿命を延長することができる。流体中の摩耗防止剤が酸によって分解された場合には、流体を強塩基フィルタ・エレメント・マトリックスに通過させることにより、その摩耗防止剤の有効寿命を延長することができる。流体中の酸化防止剤が過酸化物によって分解された場合には、酸化速度を低下させる結果となる強塩基マトリックス内への酸の捕捉により、その流体の有効寿命を延長することができる。本発明は、これらのおよび他の重要な目的に関する。] 課題を解決するための手段 [0016] 従って、本発明は、一つには、固体塩基含有オイルフィルタ内への燃焼酸の捕捉に有用なフィルタエレメントであって、強塩基フロックを含むものである該フィルタエレメント、ならびにそれらの作製方法および使用方法に関する。] [0017] 本発明は、一つには、油または燃料から酸を捕捉するフィルタエレメントに関し、このフィルタエレメントは、 機械的に連結する構造繊維と間隙空間とで構成されたマトリックスと、 前記油からの酸を捕捉する前記マトリックス内の強塩基粒子であって、前記間隙空間の平均断面より小さい平均粒径を有するものである前記強塩基粒子と、 前記マトリックス内で形成される強塩基粒子フロックを保持する高分子量凝集剤と を有し、 1)形成される前記強塩基粒子フロックの最小単位寸法は、前記間隙空間の平均断面より大きいものであり、 2)前記強塩基粒子は、前記機械的に連結する繊維に実質的に付着しておらず、前記マトリックス内で物理的に結合しており、 3)前記マトリックスに前記塩基粒子を化学的に結合するラテックスは、実質的にないものであり、 4)前記強塩基粒子は、前記フィルタエレメントの少なくとも30重量%を構成する。] [0018] 本発明は、一つには、少なくとも1つの油の中の酸または中和された酸を捕捉するためのフィルタエレメントを作製する方法に関し、この方法は、 水、水混和性溶剤またはそれらの組み合わせの中で強塩基粒子をスラリ化する工程と、 高分子量凝集剤を添加して、前記強塩基粒子をフロック化する工程と、 構造繊維、若しくは構造繊維部分、または細径繊維、若しくは細径繊維部分、またはそれらの組み合わせを前記スラリに添加して、前記強塩基粒子のフロックが分散されている繊維マトリックスを形成する工程と、 前記繊維マトリックスを裏打ちシート材料と接触させる工程と、 水、水混和性溶剤またはそれらの組み合わせを実質的に除去する工程と、 前記裏打ちシート材料上に前記繊維マトリックスを堆積させる工程と を有する。] [0019] 本発明の特定の実施形態は、油循環システムにおいて酸または中和された酸を含有する油から酸を捕捉するための方法に関し、この方法は、油循環システムを本明細書に記載するタイプのフィルタエレメントと接触させる工程を含み、このフィルタエレメントが、酸の少なくとも一部分をそのフィルタエレメント内に強塩基粒子と共に残存させる。また、前記強塩基含有フィルタエレメントは、Hg圧入ポロシメトリー(Hg intrusion porosimetry)によって測定して、少なくとも10m2/グラムの総表面積を有するものが好ましい。これらの実施形態のうちの特定の実施形態において、前記油循環システムは、内燃機関の燃焼および潤滑システムの中で見出すことができるものである。他の実施形態において、本発明のフィルタエレメントによって捕捉される酸は、内燃機関の燃焼および/または潤滑システムにおいて発生するものである。] [0020] 本発明のその他の特定の観点は、油の酸化を減少させる方法に関し、この方法は、直近の上述で記載して、かつ本出願全体を通して記載するような塩基不含フィルタと接触している油における酸化速度と比較して油の酸化が少なくとも約20%減少するような速度で酸を捕捉するように、油と本明細書に記載するタイプのフィルタエレメントとを接触させることを含む。] [0021] 本発明は、一つには、強塩基フロックにも関し、これらの強塩基フロックは、 酸化マグネシウム若しくは酸化亜鉛またはそれらの組み合わせを含有し、かつ約0.1〜約10マイクロメートルの平均粒径を有する強塩基粒子と、 高分子量凝集剤と を有し、この場合、 前記凝集剤と前記強塩基粒子の接触から形成される前記フロックは、約10マイクロメートルより大きい平均断面距離を有し、および 前記フロック中の強塩基粒子は、水銀圧入ポロシメトリーによって測定してそれらの固有表面積の少なくとも約40%を保持する。] 図面の簡単な説明 [0022] 図1は、より弱い塩基、例えば洗浄剤または分散剤からのフィルタの強塩基への燃焼および/または有機酸の移動の概要を図によって表すものである。 図2は、強塩基フィルタエレメントを含有する例示的オイルフィルタのフロースルーの略図を表すものである。 図2aは、本明細書に記載する強塩基フロックを含有する例示的プリーツ型フィルタエレメントの平面断面図を表すものである。 図3は、化学的に活性な濾材における強塩基フロックを物理的に拘束する構造繊維および細径繊維を示す走査型電子顕微鏡画像(scanning electron microscope:SEM)である。 図4は、支持体への強塩基の堆積についての略図を提供するものである。 図5は、強塩基フィルタを有する内燃機関についての標準フィルタを有するものに対する油循環システムにおける全塩基価数保持力向上を示すものである。 図6は、標準フィルタおよび本発明のフィルタエレメントの使用についてのTAN(total acid number:全酸価数)エンジン試験データを比較するものである。 図7は、4球摩耗試験(Four Ball Wear Test)(ASTMD4172 B)における標準オイルフィルタと対比させた強塩基フィルタの存在下での耐摩耗エンジン性能向上を図示するものである。 図8は、フーリエ変換赤外分光法(Fourier Transform Infrared Spectroscopy:FTIR)により標準フィルタの使用と本発明のフィルタエレメントの使用を比較する内燃機関試験についての油酸化レベルの差を図示するものである。 図9は、図2に記載したオイルフィルタにおいて用いた強塩基フィルタエレメントの例示的製造プロセスの略図を提供するものである。] 図1 図2 図2a 図3 図4 図5 図6 図7 図8 図9 [0023] 本発明は、一般に、油、流体または燃料からの酸を捕捉するためのフィルタエレメント、これらのフィルタエレメントを構成するフロック、およびそれらの使用方法に関する。] [0024] 本開示の一部を構成するものであり、添付の特許請求の範囲を制限すると解釈すべきでない、例証となる好ましい実施形態および添付の図面についての以下の詳細な説明を参照することにより、本発明をさらに容易に理解することができる。特許請求の範囲に記載するまたは本明細書において開示する本発明は、本明細書において記載し、かつ/または示す特定の装置、方法、条件またはパラメータに限定されず、ならびに本明細書において用いる専門用語は、単なる例として特定の実施形態を記載するためのものである。いずれも、特許請求の範囲に記載する本発明を制限するためのものではない。また、添付の特許請求の範囲を含めて本明細書において用いる場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、複数形を包含し、特定の数値への言及は、その文脈が明確に別様に命じていない限り、少なくともその特定の値を含む。数値の範囲が表示されている場合の別の実施形態は、ある特定の値からおよび/または他の特定の値までを含む。類似して、先行する「約」の使用によって値が近似値として表示されているとき、その特定の値が別の実施形態を構成することは理解されるであろう。本明細書において範囲が用いられているとき、範囲およびその中の特定の実施形態のすべての組み合わせおよび副次的組み合わせが含まれると解釈する。] [0025] 本発明は、優れた酸捕捉濾材およびその製造方法を含む。一般に、前記方法は、強塩基フロックを形成するための湿潤堆積プロセスにおける高分子量凝集剤および/またはミクロ粒子保持助剤系の使用を含む。これらのフィルタエレメントは、表面積を減少させる接着性ラテックス結合剤を実質的に使用せずに形成される。このプロセスに含まれる繊維が、物理的/機械的保持によって繊維マトリックス内にこれらのフロックを保持する。これらのフロックは、絡み合ったウェブによって拘束されているが、実質的には繊維に付着していない。この方法論は、繊維が混ざり合った酸化マグネシウムの半連続層を生じさせる結果となり、固体粒子を濾過することができ、ならびに酸を化学的に捕捉することができる。] [0026] このアプローチの一つの利点は、(強塩基を付着する繊維表面積による制限を受けないので)フィルタマトリックス内へのより高い強塩基粒子負荷量を達成することができる点、および(固有活性表面積を隠す接着性結合剤を使用しないので)より高い固有活性強塩基表面積を保持することができる点である。これらのより高い負荷量および固有活性表面積は、より高い全酸捕捉能力およびより速い酸除去をもたらす。] [0027] 例示的実施形態では、フィブリル化繊維を使用して、大きなフロックを拘束するウェブまたは網目構造を作る。また、高いMgO百分率が、フィルタエレメントまたは濾紙中に保持され、すなわち、排水へのMgOの喪失が殆どなく、これは廃棄問題および費用を低減する。] [0028] 上記および本開示全体を通して用いているような以下の用語は、他の指示がない限り、以下の意味を有すると解釈するものとする。] [0029] 本明細書において用いる場合、用語「ケミカルフィルタ」または「化学的に活性なフィルタ」または「強塩基フィルタ」は、燃焼酸−弱塩基複合体から弱塩基をはずすことができるおよび/または強塩基材料と接触させる流体中の弱酸を中和することができる強塩基材料を利用するフィルタを意味する。本発明によるケミカルフィルタおよび化学的に活性なフィルタは、強塩基材料に加えて物理的に活性な濾材を含有することがある。それらは、1つ若しくはそれ以上の不活性フィルタまたはフィルタ部材を含有することもある。本発明のケミカルフィルタは、物理的に活性、化学的に活性、または物理的にも化学的にも活性である場合がある、2つ若しくはそれ以上の異なるタイプの濾材で構成された混成濾材を含有することもある。] [0030] 本明細書において用いる場合、用語「油」は、任意の潤滑油または機能性流体を指す。非限定的な例としては、石油系、半合成、または合成潤滑油、エンジン油、変圧器油、トランスミッション液、作動油、タービン油、金属加工液、および/または食用油、これらの組み合わせ、ならびにそれらに類するものが挙げられる。これらの油は、それらの用途に基づいて様々な機能を果たすことができる。用途としては、内燃機関、車両トランスミッション、油圧装置、変圧器、タービン(蒸気、ガスおよび工業用タービンを含む)、金属加工(機械加工、研削およびフライス加工を含む)および回転装置が挙げられる。空気からの酸素若しくは窒素、燃料からの硫黄、および/または有機物が存在する状態では、酸化が発生する可能性がある。これは、油(若しくはその特性)または油の中に含まれている添加剤(若しくはその特性)の性能に悪影響を及ぼす可能性がある酸または他の極性化学種を生じさせる結果となる。] [0031] 例えば、概して、変圧器液は、高温で安定である精製油または生物由来の油であり、優れた電気絶縁特性を有する。それは、油入変圧器、高電圧コンデンサ、蛍光灯安定器、ならびに一部のタイプの高電圧スイッチおよび回路遮断機、ならびにこれらに類するものにおいて使用される。その機能としては、絶縁、コロナおよびアーク放電抑制、ならびに冷却液として役立つことが挙げられる。] [0032] 変圧器油の酸化は、酸およびスラッジなどの有害副生成物を作り出すことがある。酸は、腐食を促進し、酸化反応を触媒する。それらは、セルロースも攻撃し、絶縁材劣化を加速させる。変圧器の中でスラッジが沈殿し、効率的な熱伝達を妨げる。酸の特に有害な作用のため、変圧器油は、長期間にわたって本質的に無酸のままでなければならない。酸価数が一定の公知レベルに達するとスラッジ形成が始まる。結果として、油の酸価数をモニターし、一般に、その酸価数が前記スラッジ形成値のほぼ半分に達すると油を再生させる。] [0033] もう一つの例において、金属加工液(Metal Working Fluids:MWFs)は、工業機械加工および研削操作における製品品質を向上させる。MWFsは、石油から合成流体にわたるものであり、乳化剤、耐溶接剤、腐食防止剤、極圧添加剤、緩衝剤(アルカリ性逆転)、殺生剤、および他の添加剤を含む。MWFsは、熱、および切削工具と工作物間の摩擦を低下させ、焼き付きおよび発煙の防止に役立つ。MWFsの適用は、使用する工具および工作物表面からの微粉、チップおよび切屑を連続的に除去することで、工作物の品質の向上にも役立つ。MWFsの酸化は、腐食を促進し酸化反応を触媒する酸などの有害な副生成物を作り出す場合がある。加速された酸化は、装置の信頼度に悪影響を及ぼすスラッジおよびワニスを作り出す。] [0034] 第三の例において、タービン油は、タービンベアリングを潤滑にし、冷却する。熱、曝気および金属触媒によるこれらの油に対する長期ストレスは、酸化によってその流体を時期尚早に劣化させ、ならびに有機酸、スラッジ、コークスおよびワニスを生じさせる結果となる。それらの酸が酸化を触媒する。油劣化の副生成物は、粘着性または樹脂質であることが多く、ならびにサーボ弁誤作動、スプール計量エッジ上への蓄積、油の流れの制限、スプール−ボアクリアランスの減少、弁の断熱、およびスティックスリップ制御の喪失を含めて多数の問題を引き起こすことがある。従って、酸捕捉は、これらの問題を改善することができる。] [0035] 特定の実施形態において、油は、洗浄剤または分散剤をさらに含むことがある。他の実施形態では、例えば摩耗防止添加剤などの添加剤が油中に存在することがある。] [0036] 本明細書において用いる場合、「構造繊維」は、繊維マトリクスに、その濾材に嵩と剛性を提供することにより、構造的結着性を付与する繊維を指す。一般に、そのような構造繊維の平均径は、少なくとも約十マイクロメートルである。] [0037] 本明細書において用いる場合、「細径繊維」は、濾材の効率を増すために、強塩基フロックの保持を増進して、かつ/またはより大きな細孔を架橋する繊維を指す。構造および/または細径繊維は、主として物理的または機械的絡み合いによりそのマトリックスの中に強塩基フロックを保持する。細径繊維は、より大きな繊維のフィブリル化の過程から、多成分繊維、例えば分割可能な「セグメント化パイ」繊維若しくは「海島」繊維から、ポリマーの電界紡糸などの製造法から、または微細ガラス繊維を製造するために用いられるものなどの製造方法から得ることができる。] [0038] 概して、そのような細径繊維の平均径は、約十マイクロメートル未満、好ましくは約1マイクロメートル未満である。] [0039] 本明細書において用いる場合、用語「機械的に連結する構造繊維と間隙空間とで構成されたマトリックス」は、空間で重なり合う繊維の三次元配列を指し、その空隙または間隙空間が、強塩基粒子を捕捉することができる場所を提供する。] [0040] 本明細書において用いる場合、用語「油、流体または燃料から酸を捕捉すること」は、油、流体または燃料中の燃焼酸または予め有機酸を可溶性遊離酸として受容して、かつ/若しくは保持する、または洗浄剤、分散剤若しくは他の移動剤から/で複合体化して、かつ/若しくは中和する、強塩基の能力を指す。] [0041] 本明細書において用いる場合、用語「凝集剤」は、化学的吸着とは対照的に実質的に物理的な吸着を用いて橋に係留することにより3つ若しくはそれ以上の粒子を架橋することができる高分子量材料を指す。幾つかのそのような架橋粒子が一緒になると、フロックとして公知の三次元多孔質構造が形成される。] [0042] 好ましくは、凝集剤は、多くの粒子上に吸着するであろう。それ故、分子量が高いほど、その凝集剤が形成する三次元多孔質構造またはフロックは良好である。凝集剤は、カチオン性、アニオン性、非イオン性または両性である場合があり、1モルあたり100,000グラムより大きい分子量である。それらは、好ましくは、1モルあたり1,000,000グラムより大きい分子量である。一部の実施形態において、それらは、線状ポリマー構造であり、および/または最小限に架橋される。例示的高分子量凝集剤としては、非イオン性ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド(多くの場合、水溶性補因子、例えば、Clariantから入手できるNylofixan Pのようなフェノール系樹脂、と共に使用される)、カチオン性ポリアクリルアミドコポリマー、アニオン性ポリアクリルアミドコポリマー、およびカチオン性デンプンといったポリマーが挙げられる。分子量が100,000より大きいこれらのポリマーの変型が好ましく;分子量が500,000より大きい変型は、さらに好ましく;および分子量が1,000,000より大きい変型は、最も好ましい。凝集剤の追加の非限定的な例を本明細書における以下の表3に記載する。] [0043] 凝集剤、特に、多くの高分子量および線状構造を有するものは、低濃度で有効であることができる。概して、存在する強塩基の量に対して1.5重量パーセント未満の凝集剤濃度で、および好ましくは0.5重量パーセント未満の濃度でそれらを使用することができる。] [0044] 理論による拘束を受けることを望まないが、凝集剤は、粒子表面の一部分への付着と対比して点付着によって粒子に付くものとみなされる。結果として、凝集剤によって形成されるフロックは、過度の攪拌によって破壊することができ、攪拌を減少させても一般には再形成しない。これは、特に、過剰量の凝集剤を使用するときに該当する。一般に、点付着は、吸着効率を最小限にしか低下させない粒子の外面の最小限の被覆と言い換えられる。] [0045] 濾材の作製の際、凝集剤は、形成中の微細材料の保持効率を増す。強塩基濾材の場合、それらは、吸着能力を犠牲にせずに保持効率を増す。] [0046] 大部分の凝集剤は、水性系で使用されるが、本発明では、より詳細に以下で記載するように、非水性湿潤堆積濾材作製プロセスで凝集剤を使用できるものとみなされる。] [0047] 有機ポリマー凝集剤は、場合により、アニオン性(アクリルアミドとアクリラートのコポリマーおよびポリアクリラートを含む);カチオン性(例えば、アクリルアミドとジメチル−アミノエチル−メタクリラートのコポリマー、デンプン、および/若しくはマンニッヒアミン);非イオン性(例えば、フェノール系樹脂若しくはリグノスルホナートなどの補因子と共に時として使用されるポリエチレンオキシド);または両性(例えば、デンプン)として分類されることがある。分子量は、概して1,000,000を超える。市販の凝集剤の代表例を以下の実施例セクションの表3に記載する。] [0048] 凝集剤とは対照的に、粒子凝集塊を形成するために使用される結合剤は、より広い表面付着によって粒子に結合するものとみなされる。結合剤付着は、実際には「接着性」として一般に分類される。(例えば、Haberkamp、米国特許第7,250,126号明細書参照)。表面または「接着性」付着は、粒子への凝集剤の点付着より強い。結合剤を用いて形成される凝集塊を攪拌によって破壊することは通常できない。結合剤を使用して強塩基粒子を含有する濾材を製造するプロセスは、凝集剤を使用するプロセスより「頑丈」であり、すなわち攪拌条件に対する制限が少ないはずである。加えて、結合剤の使用は、凝集剤の使用によって形成された濾材より硬く強い濾材を概してもたらす。] [0049] 液体接着性結合剤は、概してラテックスであり、「水中油型」エマルジョンである。対照的に、凝集剤は、概して「油中水型」エマルジョン(別名、逆相エマルジョン)であるが、凝集剤は、水溶性粉末または水溶液である場合もある。] [0050] それらの特性をさらに強化するために、ラテックス接着性結合剤は、多くの場合、架橋性でもある。これらの熱硬化性、または熱反応性、ポリマーは、粒子の表面の実質的な部分を被覆することができる網目構造を形成するためにポリマー鎖間で架橋を形成するように設計されたものである。この被膜は、耐磨耗性および耐溶剤性を加えることができる上に、透湿度を低下させることができる。しかし、このバリヤは、強塩基粒子の吸着効率を低下させもする。架橋すると、接着性結合剤は、非分散性である凝集塊も形成する。対照的に、凝集剤は、自己架橋するように設計されたものではなく、一般に架橋網目構造を形成しない。] [0051] 凝集剤を使用するプロセスが、結合剤を使用するものより必要とするポリマーが少ないことは、当該技術分野において一般に公知である。理論による拘束を受けることを望まないが、表面による結合剤の吸着は、点への吸着(凝集剤を用いるときの作用メカニズムであるものとみなされる吸着のタイプ)と比較して、所与の結合剤分子が接着することができる粒子の数を制限するものとみなされる。その結果、強塩基粒子を有効に保持するために凝集剤より結合剤のほうが多く必要とされるということになる。(例えば、Haberkamp、米国特許第7,250,126号B2明細書参照)。必然的に、表面付着は、点付着より被覆する表面積が大きい。これは、結合剤由来の凝集塊についてのほうが同様のサイズのフロックについてより小さい反応性表面積をもたらす結果となる。] [0052] 本明細書において用いる場合、用語「結合剤繊維」は、通常は熱および/または圧力の印加により繊維マトリックス中の構造繊維を互いに結合させる繊維を指す。これらの材料は、繊維マトリックスの構造的結着性を強化し、ならびに適切な温度で溶融することによって繊維を互いに連結させる。そのような繊維の一例としては、UL 410、Minifiber,Inc.から入手できるポリエチレン繊維がある。鞘芯および他の二または多成分結合剤繊維も利用できる。これらの繊維は、多成分から成り、これらの繊維の一部、例えば芯は、溶融しない(または高温で溶融する)材料から作られており、およびこれらの繊維の別の部分、例えば鞘は、加工温度で溶融する材料から作られている。一つのそのような二成分鞘芯繊維の例は、N790であり、株式会社クラレ(Kuraray)から入手することができ;もう一つは、T201であり、テネシー州JohnsonCityのFiber Innovaion Technologyから入手することができる。鞘芯二成分繊維以外の幾何形状も利用することができ、これらも本発明の範囲内とみなされる。同心の鞘芯に加えて、それらは、偏心および3葉型鞘芯構造で作られる。さらに、それらは、2つの異なる繊維が、それぞれのポリマーが外部表面積を有するように互いに構成される、サイドバイサイド構造で作られる。例としては、同量の2つのポリマーが円柱形繊維を構成する50/50比繊維、異なる量の2つのポリマーが円柱形繊維を構成する20/80比繊維、葉の1つ若しくはそれ以上がその繊維の残部に類のないポリマーを構成する3葉型繊維、それぞれの葉の先端がその繊維の残部に類のないポリマーのものである先端3葉型クロス形状繊維、およびその他が挙げられる。これらの繊維を添加して、実質的に吸着効率を低下させずに濾材に構造的結着性を付与することができる。] [0053] 凝集剤とは対照的に、凝結剤は、化学的または物理的吸着によって粒子を架橋するのではなくそれらを互いに無効にする力を中和することによって荷電材料を不安定にする。凝結剤は、表面電荷を相殺し、より大きな塊を形成させる。それらは、一般に、アルミニウム塩、鉄塩、および低分子量「電荷中和剤」高分子電解質である。凝結剤の使用は、当該技術分野において公知である。] [0054] 凝結剤の一般例としては、ポリアミン、高分子四級化合物(polyquaternaries)、ポリ−ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ポリ−エピクロロヒドリンジメチルアミンおよび/またはポリエチレンイミンなどの化合物が挙げられる。これらの材料の線状ホモポリマーについての分子量は、概して100,000未満である。] [0055] 本明細書において用いる場合、用語「強塩基粒子フロック」または「強塩基フロック」は、強塩基粒子と、橋に係留するために化学的吸着ではなく実質的に物理的な吸着を用いて3つ若しくはそれ以上の強塩基粒子を架橋することができる少なくとも1つの凝結剤とを含む、三次元多孔質構造を指す。] [0056] 本明細書において用いる場合、用語「実質的に付着していない」は、強塩基と繊維マトリックス間の関係を指し、この場合の「実質的に」および「実質的にすべての」は、本明細書中で定義するとおりである。] [0057] 本明細書において用いる場合、用語「物理的結合」は、強塩基粒子がそのマトリックスに化学的に付着しているのではなく、そのマトリックス内に物理的に閉じ込められている、強塩基粒子が繊維マトリックス内に収容されている様子を指す。] [0058] 本明細書において用いる場合、用語「固有表面積」は、供給業者から受け取ったままの強塩基材料の表面積を指す。] [0059] フィルタエレメントの製造に有用な繊維としては、天然繊維、例えば、再生セルロース(例えば、レーヨン)、羊、ヤギ、アルパカ、豚の毛、およびこれらに類するものの紡毛動物繊維ならびに他の動物関連繊維、例えば絹;例えばオーク、ゴム、ユーカリ、カバノキ、ハコヤナギ、ブナ、セコイア、ベイマツ、ベイスギ、スラッシュパイン、ロブロリーパイン、針葉樹、ツガ、モミ、ヒマラヤスギ、およびドクニンジンなどの木からの木材パルプ由来セルロース;アバカ、マニラ麻、麻、アフリカハネガヤ(esparto grass)、サイザル、ジュート、ケナフ、亜麻、米、小麦、ライ麦、サバル(sabai)、バガス(サトウキビ)、竹、大麻、リネン、カラムシ、大麦、オート麦、アシ繊維、ココナッツ繊維、綿およびその他などの様々な源からの植物由来セルロース繊維;ガラス、セラミック、炭化ケイ素、アスベスト、玄武岩を含む、無機および鉱物繊維;ならびに非常に多くの金属繊維、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、FeCr合金、ニッケル合金、Inconel、Hastelloy、Haynes Alloy、および同類の他のもの;レゾールまたはノバラック樹脂によって例示されるフェノールホルムアルデヒド樹脂に限定されない、有機合成繊維;ポリアラミド繊維、例えば、Nomex、KevlarまたはTwaron;ポリエステル繊維、例えば、ダクロン−ポリ(エチレンテレフタラート)(PET)またはポリ(ブチレンテレフタラート)(PBT);ポリイミド、例えば、P84;ポリフェニレンスルフィド(例えば、Ryton);ポリウレタン、例えば、Spandex;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、例えば、Teflon;ナイロン6およびナイロン6,6を含む、ポリアミド;高、低および超高密度ポリエチレン(HDPE、LDPE、UHMWPE)を含む、ポリエチレン;ポリプロピレン、例えば、TyparまたはTekton;ポリスチレン;ポリアクリロニトリル、例えば、モダクリリックPAN(例えば、Dynel(アクリロニトリルおよびポリ塩化ビニル));およびVerel(アクリロニトリルおよび塩化ビニリデン);Kuralonによって例示されるポリビニルアルコール(PVOH);炭素繊維;ならびにポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ酢酸ビニル、アクリル繊維、ポリ塩化ビニリデン、ポリベンゾイミダゾール(PBI)およびこれらに類するものが挙げられるが、それらに限定されない。] [0060] 一部の実施形態において、前記繊維をフィブリル化することができる。フィブリル化されていようと、いなかろうと、有機繊維および無機繊維および/またはホイスカーの併用を考えることができ、これらは本発明の範囲内である。例えば、ガラス、セラミックまたは金属繊維とポリマー繊維を一緒に使用することができる。ガラスまたは金属繊維は、一体紙に追加の湿潤強度を提供することができる。] [0061] 本明細書において用いる場合、「ミクロ粒子保持助剤系」は、微粒子保持効率を促進し、濾材作製中に多孔質固体マトリックスの形成を増進させる、ミクロおよび/若しくはナノ粒子系化学添加剤または化学添加剤の混合物を指す。これらの系は、好ましくは1,000,000より高い分子量の、高分子量ポリマーの組み込み、この高分子量ポリマーの組み込みの後の、ポリマー誘導フロック、および小さな固体の荷電ミクロ粒子、および/またはミクロポリマーを強力に分散させるための高レベルの流体力学的剪断を特徴とする。] [0062] 本明細書において用いる場合、用語ミクロポリマーは、高架橋水溶性フィラメント微小網目構造を指す。それらは、時として、固体ポリマーマイクロスフィアまたは分岐アニオン性水溶性ポリマー(branched anionic water−solbule polymers:BAP)とも呼ばれる。それらは、イオン性表面、三次元拘束構造、およびサブミクロンサイズを概して有する。これらの材料は、典型的には直径が5ナノメートルより大きく、さらに典型的には直径が30ナノメートルと90ナノメートルの間である。それらは、概して、マイクロエマルジョンまたはデンドリマ技術によって製造され、時として、無機ミクロ粒子と併用される。それらは、ミクロ粒子保持助剤系の一部として常に用いられる。] [0063] より有効であるには、これらのミクロ粒子は、好ましくは、例えば多くのコロイド状シリカ製品の場合のように1グラムあたり約500〜約1,200平方メートルの範囲の、高い表面積を有するべきであり、または固体粒子の場合のように約5ナノメートル未満であるミクロ粒子の少なくとも1つの寸法を有するべきである。] [0064] ミクロ粒子保持助剤系の2つの他の特徴としては、形成およびプレス工程中の濾材からの水の放出速度の急激な上昇、ならびに/または高分子量ポリマーを使用して繊維/固体が予めフロック化されて分散されたときでさえのフロックの再形成を挙げることができる。そのような系の使用は、保持率増加、多孔度増加、排水増加、形成改善、乾燥強度向上、および湿式プレス後の固体増加をもたらす。] [0065] 保持助剤系において使用されるミクロ粒子の3つの主要タイプは、コロイド状シリカゾルまたはゲル、スメクタイト系粘土(ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト)、および固体粒子と同様の機能を果たす一定の高架橋有機ミクロポリマーである。これらのミクロポリマーは、「水溶性フィラメント微小網目構造」と記載されている。大部分の市販ミクロ粒子製品は、負のコロイド電荷および高い表面積を有する。様々な他のミクロ粒子が報告されており、リグニン、ミョウバン系ミクロ粒子、ミクロラテックスのような材料、およびアルミニウム、ホウ素または鉄でのシリカコロイドの処理を含む。ミクロ粒子系において使用されている高分子量ポリマーとしては、数ある中でも、カチオン性デンプン、寒天、カチオン性アクリルアミドコポリマー、コロイド状シリカ、およびアニオン性アクリルアミドコポリマーが挙げられる。] [0066] ミクロ粒子保持助剤系は、凝集剤の添加、続いて、下流でのミクロ粒子、例えばコロイド状シリカ、ポリシリケートミクロゲル、ベントナイト粘土、およびマイクロエマルジョン技術を用いて製造された有機ミクロポリマーの添加によって、概して施与される。この複合処理は、脱水の顕著な向上を生じさせることができる。好ましくは、凝集を誘導するために十分な高分子量ポリマーも添加する。ミクロ粒子またはミクロポリマーは、通常、濾材形成装置へのアプローチフローの非常に後期に添加される。] [0067] 理論による拘束を受けることを望まないが、ミクロ粒子またはミクロポリマーの機能は、ポリマーの橋からの水の放出、それらを接触させること、および異なる繊維または微粒子に吸着した高分子に架かる架橋を含む。これらの効果は、繊維周囲に流れるより多くの流線形水路、およびフロックと濾材の両方におけるより大きく開口された多孔質構造を作る。] [0068] 凝集剤および保持助剤系の一般的な論考は、Kemmer,F.N.,Ed.The Nalco Water Handbook,2nd ed.;McGraw−Hill:New York,NY,1988,ISBN 0−07−045872−3;Moss,N.;Dymond,B.;Flocculation:Theory & Application.Mine and Quarry Journal 1978,May:2;Heitner,H.I,Flocculating Agents,Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Wiley:New York,2004,Vol 11,pp 623−647;Gess,J.M.,Ed.Retention of Fines and Fillers During Papermaking,Tappi Press:Atlanta,GA,1998,ISBN 0−89852−066−5;およびRodriguez,J.M.,Ed.Micro and Nanoparticles in Papermaking,Tappi Press:Atlanta,GA,2005.ISBN 1−59510−074−1において見出すことができる。] [0069] 単一成分保持系の例としては、NALCO 7191 Plus、高分子量カチオン性アクリルアミドコポリマー、およびCiba E38、高分子量アニオン性アクリル酸/アクリルアミドコポリマーが挙げられる。二重ポリマー保持系は、商品の次の組み合わせによって例示される:Ciba E38、高分子量アニオン性アクリル酸/アクリルアミドコポリマーとの組み合わせでのKemira Sperfloc C−573、凝結剤−エピクロロヒドリンとジメチルアミンとで形成された低分子量ポリアミド/ポリアミンポリマー;およびNALCO 7191 Plus、高分子量カチオン性アクリルアミドコポリマーとの組み合わせでのKemia Superfloc C−573、凝結剤−エピクロロヒドリンとジメチルアミンとで形成された低分子量ポリアミド/ポリアミンポリマー。ミクロ粒子保持系は、市販材料の次の組み合わせによって例証される:Ciba Particol S1033、コロイド状シリカミクロ粒子、およびCiba Teliofrom M300、有機架橋ミクロポリマー粒子、5nm、との組み合わせでのCiba E22S、高分子量カチオン性アクリルアミドコポリマー;ならびにCiba E22S、高分子量カチオン性アクリルアミドコポリマーと、Ciba Hydrocol 2D6、ベントナイト/スメクタイト系粘土、およびCiba Telioform M300、有機架橋ミクロポリマー粒子との組み合わせ。] [0070] 本明細書において用いる場合、用語「バイオディーゼル」は、有機燃料成分(単数または複数)が再生可能生物学的資源に由来する、内燃機関、特にディーゼルエンジンにおいて使用するための燃料を指す。例としては、B5、B20、およびB100、石油系ディーゼル燃料と、その石油系燃料とほぼ同じ沸点範囲の燃料5から100%との混合物であって、その混合物における一部がバイオディーゼルで置換されている混合物が挙げられる。前記バイオディーゼル置換燃料は、有機、好ましくは再生可能資源、例えば、大豆、トウモロコシ、木材製品若しくは副産物、ガラスまたは他のセルロース系材料製品から得られるものである。] [0071] 本明細書において用いる場合、用語「酸または中和された酸を含有する油」は、(1)例えば酸素若しくは空気および酸触媒の存在下での油中の有機成分(単数若しくは複数)の酸化によって生成された溶解状態の遊離有機酸を有する;または(2)洗浄剤、分散剤、および/若しくは油中で見出される他の移動添加剤の少なくとも1つによって複合体化され、およびまたは中和された燃焼酸および/若しくは酸化生成有機酸を有する、油を指す。] [0072] 本明細書において用いる場合、用語「油の酸化」は、様々な炭素−水素結合を炭素−酸素結合で置換する酸触媒を伴うかまたは伴わない、酸素の存在下での、油中の有機成分の性質を指す。この酸化が発生する速度は、当業者または通常の当業者に公知の多数の方法のいずれかで分析することができる。例えば、時間の関数として一定のカルボニル関連吸収レベルの増加を酸化の速度およびレベルに関係づけることができる赤外分光法、特にFTIRによって酸化を測定することができる。(さらに詳細な記載については、ASTM−FTIR手順、E 2412−04、「Standard Practice for Condition Monitoring of Used Lubricants by Trend Analysis Using Fourier Transform Infrared (FT−IR)Spectrometry」を参照のこと)。] [0073] 本明細書において用いる場合、用語「水混和性」は、水に少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約60%、さらに好ましくは70%、さらにいっそう好ましくは80%、およびさらにいっそう好ましくは少なくとも約90%可溶性である任意の溶剤を指す。特定の好ましい実施形態において、溶剤は、水に完全に可溶性である。] [0074] 本明細書において用いる場合、用語「実質的に」および「実質的にすべての」は、それぞれ、少なくとも約60%、好ましくは75%、さらに好ましくは85%、さらにいっそう好ましくは95%を指し、少なくとも約98%がさらにいっそう好ましい。] [0075] 本明細書全体を通して多孔性を考察する。ガス吸着および水銀圧入ポロシメトリーをはじめとする、多孔性を評価するために用いることができる多数の方法論があることは、当業者には容易に理解されるであろう。一般に、ガス吸着は、約3.5オングストローム(約3.5x10−10m)〜約3,000オングストローム(約3.0x10−13m)の直径を有する細孔を検出することにより、材料の内部細孔によって規定されるような表面積を事実上すべて測定することができる。その範囲内の細孔の中で、水銀圧入ポロシメトリーは、約30オングストローム(約3.0x10−11m)の直径まで下って測定することにより、それらの細孔のサブセットを測定する。例示的水銀圧入ポロシメトリー用機器および方法は、「Analytical Methodsin Fine Particle Technology,」Paul A.Webb and Clyde Orr,Micromeritics Instrument Corporation,Norcross,GA,Chapter 4,pp 155−191,1997、および「An Introduction to the Physical Characterization of Materials by Mercury Intrusion Porosimetry with Emphasis on Reduction and Presentation of Experimental Data,」Paul A.Webb,pp 1−22,Micromeritics Instrument Corporation,Norcross,GA,January 2001に開示されている。] [0076] 例示的実施形態 本発明による例示的フィルタ実施形態を内燃機関の潤滑システム内で用いて、燃焼酸を固定することおよび潤滑油粘度を制御することができる。理論に拘束されることを望まないが、燃焼酸および煤粒子は、燃焼ブローバイガスと共に、および/または再循環排ガスを含有することがあるか若しくはない潤滑油の境界層を通して潤滑油に入るものとみなされる。概して、可溶性弱塩基(「分散剤」)は、燃焼酸の中和を助長するために、かつ煤粒子の凝集塊形成を防止するために市販の潤滑油と併用される。] [0077] 本発明は、一つには、強塩基材料を有する濾材を用いるケミカルフィルタにおいて使用するためのフィルタエレメントを提供する。ケミカルフィルタは、例えば従来のオイルフィルタの位置などの潤滑システム内の任意の位置に配置することができる。弱塩基と燃焼酸が相互作用して、酸−弱塩基複合体(例えば、塩)を形成し、これが潤滑油の中を移動する。特定の実施形態では、好ましくは、酸が金属表面に達して腐食を生じさせる前におよび/または煤粒子が三次元の増粘構造を形成する前に中和を行う。ケミカルフィルタ内の強塩基材料は、燃焼酸−弱塩基複合体から弱塩基を外す。弱塩基が可溶性中性塩から外されると、このようにして形成された燃焼酸−強塩基塩が、強塩基と共に、または支持体が用いられる場合には支持体上の強塩基と共に、不均質堆積物として大いに固定されることとなる。従って、そのときには、通常はピストン・リング・ゾーンにおいて形成して潤滑油中に残存するであろう燃焼酸塩または複合体は、油から除去され、ケミカル・オイル・フィルタ内に捕捉される。その置換され再生された弱塩基材料は、有効に再循環されて、後に生成される酸を中和する。図1は、上記で記載したプロセスの略図である。特定の事例では、洗浄剤から強塩基材料への燃焼酸の移動は、それらの酸を捕捉し、潤滑油中の洗浄剤の再循環を可能にするばかりでなく、循環する潤滑油からのこれらの極性塩および/または酸−塩基複合体のレベルを低下させることによりピストン堆積物形成を調節することができる。] 図1 [0078] 特定の実施形態において、本フィルタエレメントの使用は、弱塩基添加剤の再生を助長して、潤滑油の灰含量を低下させることによって、および/または酸化速度を減速させることによって、油抜き間の時間を延ばすことができる。煤の酸性表面の中和に再使用するための分散剤弱塩基材料の再循環によって、特定の事例では煤凝集塊形成による粘度の増加を最小限にすることもできる。他の実施形態において、ケミカルフィルタは、例えば、油中の燃焼酸−弱塩基複合体から燃焼酸を移動させ、それらをフィルタエレメント内に強塩基で固定することによって、ピストン堆積物を減少させることおよび腐食を低減することができる。] [0079] 洗浄剤および分散剤を含有するいずれの完全配合潤滑油も、本発明が記載するケミカルフィルタで十分に機能するであろう。典型的な内燃機関の潤滑システム内で循環する潤滑(またはクランクケース)油は、大量の潤滑油ベースストック(または基油)および少量の1つ若しくはそれ以上の添加剤を含むであろう。前記潤滑油ベースストックは、天然潤滑油から誘導されたものである場合もあり、合成潤滑油から誘導されたものである場合もあり、またはそれらの混合物から誘導されたものである場合もある。] [0080] 図2に示すように、改良された従来のオイルフィルタの形の例示的ケミカルフィルタを作る。分散剤:酸複合体を含有する潤滑油が入口1でこのフィルタに入る。その潤滑油が、そのフィルタの外壁とフルフローフィルタ2およびバイパス強塩基フィルタ3との間を流れる。その後、その潤滑油は、フィルタエレメント2または3を通って放射状に中へと流れる。フィルタエレメント2は、フルフローフィルタであり、強塩基を含有することもあり、しないこともある。フィルタエレメント3は、バイパスフィルタであり、強塩基を含有する。フィルタエレメント2または3のいずれかは、溝付き天然若しくは合成濾材の形態である場合があり、または何らかの他の構造、例えば積層ディスク若しくはウォールフローのものである場合がある。酸の大部分が分散剤:酸複合体から強塩基に移動して、その潤滑油は、4で再活性化された分散剤と共に出て、5でエンジンに戻る。その後、その分散剤を利用して、さらなる燃焼酸を中和することおよびこのプロセスを繰り返すことができる。] 図2 [0081] 図2のケミカルフィルタの機構は、添付の特許請求の範囲を正しく解釈するための例示にすぎず、限定ではない。さらに、化学的に活性なフィルタエレメント3、ならびに場合によってはフィルタエレメント2および3は、その化学的に活性なフィルタエレメントが、油のスルーフローを可能にする特別な物質の集まりを含むことを記載するために単純に描いたものである。他のフィルタ構造、例えばカートリッジフィルタも考えられる。この図は、本発明が提供する濾材の実寸を表すためのものではない。特定の物質のサイズおよび分布、ならびに隣接する粒子間で規定される間隙孔のサイズおよび分布は、より詳細に以下で記載することにする。] 図2 [0082] 図2aは、強塩基フロックを含有する溝付きまたはプリーツ型フィルタエレメントの平面断面図を描くものである。この構造は例示にすぎず、他のフィルタエレメント構造、例えば積層ディスクまたはウォールフローが考えられる。] 図2a [0083] 図9は、本明細書に記載する強塩基フィルタエレメントを形成することができる例示的プロセスを描くものである。このプロセスは、2つの別のスラリの形成を必要とする。第一のスラリは、水に懸濁させた強塩基粒子を含有し、後にこれを、高分子量凝集剤と場合によってはミクロ粒子とを含む保持助剤系を使用してフロック化する。別途、水、構造繊維、および/若しくは細径繊維、および/若しくは結合剤繊維、またはそれらの何らかの組み合わせを含有する第二のスラリを形成する。これらの2つのスラリを併せ、湿式堆積型濾材作製プロセスを用いて形成する。そのようなプロセスの一例としては、市販のFourdrinier抄紙機の使用が挙げられる。結果として得られるフラットまたはロール状シート材料は、多孔質裏打ちシート上の強塩基フロックおよび繊維を含有する。その後、当業者に公知の方法を用いて、このシートを型押しまたはプリーツ加工して、フィルタエレメントを形成する。このようなプロセスから形成されるフィルタエレメントの2つの例は、プリーツ型または積層ディスク・フィルタ・エレメントを含む。] 図9 [0084] 図2に描いたものなどの強塩基フィルタエレメントの形成に使用される強塩基材料は、製造業者から受け取ったときには一般に非晶質材料であるが、一部の実施形態では、より結晶性の性質のものである場合もある。前記強塩基粒子は、平均して1マイクロメートル若しくはそれ以下の粒径で相当に小さい場合もあり、または3〜8マイクロメートルにわたるか若しくはそれより大きい中間サイズのものである場合もある。中間サイズの強塩基粒子は、より小さい粒子、例えば、1マイクロメートル若しくはそれ以下の平均サイズの直径を有するより小さい粒子の圧縮凝集塊形成物である場合がある。フィルタ内の強塩基を固定するために、それらの粒子を、より大きな凝集塊サイズ、例えば少なくとも約10マイクロメートル、好ましくは少なくとも約20マイクロメートル(直径が少なくとも約30マイクロメートルまたはそれ以上が、さらにいっそう好ましい)の凝集塊にすることが望ましい。分散剤:酸複合体からの酸の移動を受容する強塩基粒子の能力を維持するために、粒子を凝集塊にする任意の操作中に強塩基粒子の表面積を可能な限り高度に維持することが重要である。粒子を凝集塊にするために先行技術では結合剤が一般に使用される。しかし、結合剤は、小さな粒子を互いに結合させて大きな凝集塊を形成することによって凝集塊を形成するばかりでなく、フィルタエレメントの構造マトリックスを構成するフィルタにそれらの凝集塊を結合させもする。フィルタへの凝集塊の結合により、それらの凝集塊は、フィルタに固定される。本出願人は、結合剤の使用は、分散剤:酸複合体からの酸を受容する強塩基の能力を著しく減少させる場合があることを発見した。理論による拘束を受けることを望まないが、結合剤は、それ自体が幾つかの粒子の表面に付着し、それによってそれらを互いに単一凝集塊で保持することにより、その結合機能を果たすものとみなされる。小さな粒子に結合剤を付着させると、粒子の細孔が覆われ、このようにして表面積は著しく低減される。本出願人は、驚くべきことに、結合剤の代わりに凝集剤を使用することによって、分散剤:酸複合体からの酸を受容する強塩基の能力を著しく減少させることなく所望のサイズの凝集塊が形成されることとなることを発見した。凝集剤は、一般に、凝集塊を構造繊維に付着させないので、結合剤の代わりに凝集剤を使用するときにはフィルタエレメント内に強塩基凝集塊を固定する別の方法を見出す必要がある。] 図2 [0085] 一つのそのような強塩基固定方法は、フィルタエレメントにおける細径繊維の使用を含む。結合剤でのような構造繊維への凝集塊の付着は、繊維マトリックス内への凝集塊の化学的固定と見ることはでき、一方、フィルタマトリックス内への、例えばフロックおよび/または細径(例えばフィブリル化)繊維での凝集塊の捕捉は、物理的捕捉である。図3は、結合剤を用いずに凝集剤とフィブリル化繊維を使用して本発明の範囲内で具現される化学的に活性なフィルタエレメントの走査型電子顕微鏡写真(scanning electron micrograph:SEM)である。このSEMは、大きな構造繊維と、凝集した小さな強塩基粒子と、強塩基フロックを物理的に固定している細径フィブリル化繊維とを含む。表4(以下の実験セクションにおいて見出される)は、1)フィルタマトリックス内に強塩基(MagChem 50)を固定する、および2)110度Cで鉱物油からオクタン酸(OA)を除去する、凝集剤の能力とラテックス結合剤の能力を比較するものである。表4において、凝集剤(濾材サンプル2および3)は、ラテックス結合剤(濾材サンプル1)より多くの強塩基を固定し、ならびにMgOの負荷%の増加に基づいて予測されるものより大きな率までTANを減少させる。これは、凝集剤に対する結合剤の公平な方向比較であるものとみなされる。] 図3 [0086] 粒子は、主として強塩基材料それ自体から構成されることがある。「強塩基」は、ピストン・リング・ゾーンへの再循環のために中性塩から弱塩基を外して油にその弱塩基を戻す塩基を意味し、そのピストン・リング・ゾーンにおいてその弱塩基を再使用して追加の酸を中和することができる。固体塩基フィルタ内への固体に適する強塩基の例としては、酸化バリウム(BaO)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、酸化マグネシウム(MgO)、アルミン酸マグネシウム(NaAlO2)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、水酸化ナトリウム(NaOH)、酸化亜鉛(ZnO)、炭酸亜鉛(ZnCO3)および水酸化塩Zn(OH)2またはこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。酸化マグネシウムおよび酸化亜鉛、またはその混合物は、好ましい強塩基材料である。] [0087] あるいは、前記粒子は、支持体材料から構成される場合があり、この支持体上に強塩基材料が配置される。当業者に公知の方法によって強塩基を支持体上に組み込むかまたは支持体と一体化することができる。例えば、溶解した強塩基材料と溶剤とから成る溶液に支持体粒子を暴露して、その溶液がそれらの粒子の外部および内部表面積を被覆するようにすることができる。その後、溶剤を除去し、その結果、支持体粒子上に堆積された強塩基材料の薄層が残る。図4は、このプロセスを図解する簡略化した概略図であり、この場合、支持体粒子(A)が強塩基材料(B)の薄層で被覆される。適する支持体としては、活性炭、カーボンブラック、活性または遷移アルミナ、シリカゲル、アルミノケイ酸塩、層状複水酸化物、ミセルをテンプレートにしたケイ酸塩およびアルミノケイ酸塩、酸化マンガン、メソポーラス・モレキュラー・シーブ、MCM型材料、珪藻土またはシリカ、生砂、活性マグネサイト、吸着性樹脂、多孔質粘土、モンモリロナイト、ベントナイト、ケイ酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、フラー土、セメント結合剤、エアロゲル、キセロゲル、クリオゲル、有機金属構造体、等細網状有機金属構造体、およびこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。活性炭は、その上に強塩基材料の極薄または単層を堆積させる好ましい支持体であることが判明した。このために、炭素表面が酸性であることが(必須ではないが)有用である。特定の好ましい実施形態によると、特定の濾材と「会合した」強塩基材料を有することは、強塩基材料が支持体粒子上に配置される(支持体粒子材料が強塩基官能性の一因になる場合もあり、ならない場合もある)実施形態ばかりでなく、粒子が主として強塩基材料それ自体から作られている実施形態も含む。] 図4 [0088] 上記に挙げた支持体の多くが物理的に活性な材料であること、ならびに代替ケミカルフィルタおよび/または本発明の挿入実施形態が混成濾材−化学的にも物理的にも活性な濾材−を利用できることに留意しなければならない。例えば、大量の活性炭をケミカルフィルタにおいて利用することができ、それらの炭素粒子の一部分のみを強塩基材料で被覆することができる。被覆されていない炭素粒子は、任意の数の油不純物を吸着することができる物理的に活性化濾材としての役立ち、被覆されている粒子は、本発明に従って燃焼酸を固定することおよび潤滑分散剤を再循環させることができる化学的に活性な濾材として役立つであろう。結合剤材料を用いてこの混成濾材を単一固体構造にすることができる。あるいは、物理的に活性な粒子を第一挿入物または成分に結合させ、化学的に活性な粒子を第二挿入物または成分に結合させて、それら二成分をケミカル・フィルタ・ハウジングの中で組み立ててもよい。] [0089] 必要とされる強塩基材料の量は、油中の弱塩基の量およびエンジン動作中に形成される酸の量によって変わるであろう。しかし、強塩基材料は、再使用のために継続的に再生され続けられず、弱塩基も同様であるので、洗浄剤の中和能力の少なくとも2倍若しくはそれ以上の能力をその油で用いる場合、好ましくは、強塩基材料の量は、当量ベースでその油中の洗浄剤の中和能力の四分の一、二分の一、さらにいっそう好ましくはその中和能力に等しい量に少なくとも等しい強塩基の能力を提供する。洗浄剤レベルを通常の負荷量より減少させた、または洗浄剤を完全に無くした場合、強塩基の量は、当量ベースで0.6%灰の洗浄剤レベルの中和能力の四分の一に少なくとも等しくなければならず、さらに好ましくは、1.2%の灰またはそれ以上の灰を有する洗浄剤レベルの中和能力に少なくとも等しくなければならない。] [0090] 従って、本発明の特定の実施形態は、油または燃料からの酸を捕捉するフィルタエレメントに関し、このフィルタエレメントは、 機械的に連結する構造繊維と間隙空間とで構成されたマトリックス(例えば、図3に示すとおり)と、 前記油または燃料からの酸を捕捉する前記マトリックス内の強塩基粒子であって、前記間隙空間の平均断面より小さい平均粒径を有するものである前記強塩基粒子と、 前記マトリックス内で形成される強塩基粒子フロックを保持する高分子量凝集剤と を有し、この場合、 1)形成される前記強塩基粒子フロックの最小単位寸法は、前記間隙空間の平均断面より大きいものであり、 2)前記強塩基粒子は、前記機械的に連結する繊維に実質的に付着しておらず、前記マトリックス内で物理的に結合しており、 3)前記マトリックスに前記強塩基粒子を化学的に結合するラテックスは実質的にないものであり、 4)前記強塩基粒子は、前記フィルタエレメントの少なくとも30重量%を構成するものである。] 図3 [0091] 好ましくは、前記凝集剤は、少なくとも約100,000、さらに好ましくは少なくとも約500,000の分子量を有し、少なくとも1,000,000の分子量を有するものがさらに好ましい。] [0092] 前記フィルタエレメントの他の好ましい実施形態において、前記マトリックスは、フィブリル化構造繊維若しくは構造繊維部分、およびフィブリル化若しくは非フィブリル化細径繊維若しくは細径繊維部分から選択される少なくとも1つの第二の機械的に連結する繊維、またはそれらの組み合わせをさらに有し、前記少なくとも1つの第二の繊維の総量は、そのフィルタエレメント中に存在する構造繊維の総量の約10重量%未満、好ましくは約5重量%未満、さらに好ましくは約2重量%未満である。] [0093] フィルタエレメントのさらに他の実施形態において、前記マトリクスは、粒子の形成効率を向上させるために少なくとも1つの繊維、例えばガラス繊維、をさらに有する。これらの追加繊維は、フィルタマトリックスの間隙空間内で優先的に集まり、油または燃料中の粒子の閉じ込めを助長することができる。好ましくは、これらの繊維は、ガラスであり、さらに好ましくは約1マイクロメートル未満の直径のものである。さらにいっそう好ましくは、それらは、そのフィルタマトリックスによる処理量を実質的に減少させない。一部の実施形態において、この濾過効率が向上した繊維の量は、フィルタエレメントにおける全濾材の約10重量%未満、好ましくは約5重量%未満、さらに好ましくは約2重量%未満である。] [0094] 前記フィルタエレメントのさらに他の実施形態において、前記マトリックスは、前記フィルタ濾材の嵩若しくは嵩高性を改善するためにまたは多孔度を向上させるために少なくとも1つのタイプの繊維、例えばポリエステル繊維または嵩高パルプなどをさらに有する。前記嵩高パルプは、概して、非常に高純度のものであり、多くの場合、90%より多くのアルファ−セルロース含量を含有する。そのような繊維の例としては、コットンリンタ(テネシー州MemphisのBuckeye TechnologiesからCotton Linter Pulp Grade 512として入手可能)またはマーセル化クラフトパルプ(テネシー州MemphisのBuckeye TechnologiesからHPZ若しくはHPZ−IIIとして、またはフロリダ州JacksonvilleのRayonier Performance FibersからPorosanier−J−HPとして入手可能)が挙げられる。ポリエステル繊維(テネシー州JohonsonCityのMinifibers,Incから入手可能)は比較的硬く、これもまた前記濾材の多孔度を向上させる。好ましい実施形態は、6または12ミリメートルの長さおよびフィラメント1本あたり3から15デニールのショートカット・ポリエチレンテレフタラート(PET)繊維である。約60マイクロメートルの直径を有するPET繊維はさらに好ましい。一部の実施形態において、前記多孔度が向上した繊維の量は、そのフィルタエレメントにおける全濾材の約10重量%未満、および好ましくは約5重量%未満である。] [0095] その他の特定の好ましい実施形態において、前記強塩基粒子の平均粒径は、約10マイクロメートル未満である。] [0096] 一部の実施形態において、前記強塩基粒子は、好ましくは、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、またはそれらの組み合わせ;さらに好ましくは、酸化マグネシウム若しくは酸化亜鉛、またはそれらの組み合わせを有し、酸化マグネシウムがさらにいっそう好ましい。] [0097] その他の特定の実施形態において、前記フィルタエレメントにおける強塩基粒子含有濾材は、静的試験(Static Test)(以下の実験セクション参照)によって測定して、酸化マグネシウム若しくは酸化亜鉛またはそれらの組み合わせの1モルにつき少なくとも約13ミリモルのオクタン酸という全酸捕捉能力を有する。] [0098] 本発明は、強塩基粒子が、フィルタエレメントに組み込んだ後、Hg圧入ポロシメトリーによって測定して、それらの固有表面積の少なくとも40%、好ましくは少なくとも約50%、さらに好ましくは少なくとも約60%を保持する、少なくとも約75%がさらにいっそう好ましい、態様も具現する。本明細書において用いる場合、「固有表面積」は、製造業者によって提供されたままの強塩基が有する表面積を指す。特定の好ましい実施形態において、前記フィルタエレメントに含まれる強塩基は、Hg圧入ポロシメトリーによって測定して少なくとも2000m2;Hg圧入ポロシメトリーによって測定して、さらに好ましくは少なくとも3500m2の表面積およびさらにいっそう好ましくは少なくとも5000m2の表面積を有する。] [0099] 一部の好ましい実施形態において、前記フィルタエレメントに含まれる強塩基は、そのフィルタエレメントの少なくとも約40重量%、さらに好ましくは少なくとも約50重量%、さらにいっそう好ましくは少なくとも約60重量%、さらにいっそう好ましくは少なくとも約70%を構成し、少なくとも80重量%がさらにいっそう好ましく、この場合、裏打ちまたは他のシートは、そのフィルタエレメントに存在する場合、この重量パーセント計算から除外される。] [0100] 広範な繊維を本発明において構造繊維、細径繊維、または両方として使用することができる。特定の実施形態において、前記フィルタエレメントの構造繊維は、セルロース繊維、木材繊維、ガラス繊維、若しくは合成繊維、またはそれらの組み合わせを含む。合成繊維を全部にまたは一部に用いる実施形態において、該合成繊維は、ポリエステル;例えばポリアクリロニトリルを含む、ポリニトリル;およびオレフィン繊維のうちの少なくとも1つ、またはそれらの組み合わせを含む。一部の実施形態において、前記構造繊維の少なくとも一部は、部分的にフィブリル化されている。] [0101] 特定の態様において、前記機械的に連結する構造若しくは細径フィブリル化繊維またはフィブリル化繊維部分は、ポリアクリロニトリルまたはリヨセルタイプのセルロース繊維を含む。] [0102] 他の実施形態において、前記構造繊維は、好ましくは、直径約1〜約60マイクロメートル、好ましくは直径約10〜約60マイクロメートルの範囲の直径を有する。特定の代替実施形態において、前記構造繊維は、好ましくは、直径約1〜約50マイクロメートル、および好ましくは直径約10〜約50マイクロメートルの直径を有する。] [0103] さらに他の実施形態において、前記細径繊維または細径部分は、平均して直径約10ナノメートル〜約10マイクロメートルの範囲であり、好ましくは、直径約0.05マイクロメートル〜約10マイクロメートル、さらに好ましくは約0.05マイクロメートル〜約5マイクロメートルの範囲の直径を有する。他の好ましい実施形態において、前記細径繊維または細径部分は、約0.1マイクロメートル〜約2マイクロメートルの範囲の直径を有する。本発明の特定の観点において、前記細径繊維または繊維部分の少なくとも一部は、より大きな直径の繊維のフィブリル化プロセスによって形成される。その他の特定の好ましい実施形態において、前記細径繊維または繊維部分は、低融点ポリエチレン、ポリアラミド、またはポリビニルアルコールから作られる。さらに他の好ましい実施形態において、前記細径繊維または繊維部分は、ガラスから作られる。さらに他の好ましい実施形態において、前記細径繊維は、多成分繊維、例えば分割可能な「セグメント化パイ」繊維若しくは「海島」繊維から、ポリマーの電界紡糸などの製造法から、または微細ガラス繊維を製造するために用いられるものなどの製造方法から得ることができる。] [0104] 特定の実施形態では、高分子量凝集剤を用いて、前記マトリックス内に実質的に保持された強塩基性フロックを形成する。本明細書において用いる場合、実質的に保持されたという用語は、保持される材料の少なくとも約50、60、70、80、90、またはさらに少なくとも約95%の保持を意味する。] [0105] 特定の好ましい実施形態において、前記凝集剤は、前記フィルタエレメント内に、全固体の約2重量%未満、好ましくは約1.5重量%のレベルで存在し、全固体の約0.5重量%未満のレベルがさらにいっそう好ましい。] [0106] 本発明の特定の態様において、前記凝集剤は、ポリアクリルアミドまたはそのコポリマーを含み;他の態様において、それはポリエチレンオキシドを含む。] [0107] 一部の実施形態では、さらなるミクロ粒子またはナノ粒子保持助剤を添加することが有用である。好ましくは、前記ミクロ粒子またはナノ粒子保持助剤は、コロイド状シリカ、スメクタイト系粘土材料、および有機ミクロポリマーの少なくとも1つを含む。] [0108] 特定の実施形態において、前記マトリックス内に強塩基粒子を保持するために用いられる強塩基フロックは、 酸化マグネシウム若しくは酸化亜鉛またはそれらの組み合わせを含有し、かつ約0.1〜約10マイクロメートルの平均粒径を有する強塩基粒子と、 高分子量凝集剤と を有し、 前記凝集剤と前記強塩基粒子の接触から形成される前記フロックは、約10マイクロメートルより大きい平均断面距離を有し、および フロック中の強塩基粒子は、Hg圧入ポロシメトリーによって測定してそれらの固有表面積の少なくとも約40%を保持する。] [0109] 特定の好ましい実施形態において、前記強塩基粒子は、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、またはそれらの組み合わせ、さらに好ましくは酸化マグネシウムを含む。] [0110] 一部の好ましい実施形態において、前記高分子量凝集剤は、前記フロック中の強塩基粒子の約1.5重量%未満の濃度を有する。] [0111] 他の好ましい実施形態において、前記フロックは、ミクロ粒子またはナノ粒子保持助剤をさらに含む。特定のさらに好ましい実施形態において、保持助剤は、コロイド状シリカ、スメクタイト系粘土材料、および有機ミクロポリマーの少なくとも1つを含む。] [0112] 油および/または燃料をはじめとする非常に多くの有機流体を本発明のフィルタエレメントによって処理するまたは本発明のフィルタエレメントに接触させることができる。例えば、濾過される固体としては、潤滑油、変圧器油、トランスミッション液、作動油、または食用油を挙げることができる。他の態様において、バイオディーゼルなどの燃料を本発明のフィルタエレメントと接触させるかまたは本発明のフィルタエレメントで処理することができる。] [0113] 本発明の一定の態様では、前記フィルタエレメントによるバイオディーゼル燃料の濾過は、ASTM法D664によって測定して、その全酸価数(total acid number:TAN)を少なくとも約0.8、好ましくは少なくとも約0.5、さらに好ましくは少なくとも約0.3、さらにいっそう好ましくは少なくとも約0.15に低下させる。一定の実際のバイオディーゼル用途については、少なくとも約0.5への低下が好ましい。] [0114] 特定の実施形態では、多孔質裏打ちシート材料、好ましくは、ASTM法D828によって測定して1インチ(約2.54センチメートル)あたり少なくとも約5ポンド(約2268g)の乾燥引張強度を有する裏打ちシートを加えることによってフィルタエレメントにおける強塩基をさらに強化することが有用である。そのような材料の例は、テネシー州Old HickoryのFiberweb,Inc.からReemayの名で入手することができる。] [0115] 本発明は、本開示のフィルタエレメントについての使用方法も含む。例えば、本発明は、図9に描いたものなどの、少なくとも1つの油の中の酸を捕捉するまたは酸を中和するためのフィルタエレメントを作製するための方法を含み、この方法は、 水、水混和性溶剤またはそれらの組み合わせの中で強塩基粒子をスラリ化する工程と、 高分子量凝集剤を添加して、前記強塩基粒子をフロック化する工程と、 構造繊維、若しくは構造繊維部分、または細径繊維、若しくは細径繊維部分、またはそれらの組み合わせを前記スラリに添加して、強塩基粒子のフロックが相互に分散されている繊維マトリックスを形成する工程と、 前記繊維マトリックスを裏打ちシート材料と接触させる工程と、 水、水混和性溶剤またはそれらの組み合わせを実質的に除去する工程と、 前記裏打ちシート材料上に前記繊維マトリックスを堆積させる工程と を有する。] 図9 [0116] 本発明の他の実施形態は、内燃機関の燃焼および潤滑システム内で発生する酸若しくは中和された酸を含有する油から、または油循環システム内で酸または中和された酸を含有する油から、酸を捕捉するために有用であり、これらの方法は、 潤滑油循環システム内で酸若しくは中和された酸またはそれらの混合物を含有する潤滑油とフィルタエレメントを接触させる工程を有し、 前記フィルタエレメントは、 機械的に連結する構造繊維と間隙空間とで構成されたマトリックスと、 前記油からの酸を捕捉するための前記マトリックス内の強塩基粒子であって、前記間隙空間の平均断面より小さい平均粒径を有するものである前記強塩基粒子と、 前記マトリックス内で形成される強塩基粒子フロックを保持する高分子量凝集剤と を有し、 1)形成される強塩基粒子フロックの最小単位寸法は、前記間隙空間の平均断面より大きいものであり、 2)前記強塩基粒子は、前記機械的に連結する繊維に実質的に付着しておらず、前記マトリックス内で物理的に結合しており、 3)前記マトリックスに前記塩基粒子を化学的に結合するラテックスは質的にないものであり、 4)前記強塩基粒子は、前記フィルタエレメントの少なくとも30重量%を構成するものであり、 前記フィルタエレメントは、前記酸の少なくとも一部分をそのフィルタエレメント内に前記強塩基粒子と共に残存させるものであり、 前記強塩粒子は、Hg圧入ポロシメトリーによって測定された少なくとも10m2/グラムの総表面積を有する。] [0117] 他の方法は、前段で記載した方法に類似したフィルタエレメントを油の酸化を減少させるために使用するものであり、これらの方法は、 塩基不含フィルタエレメントと接触している油における酸化の速度と比較して油の酸化が少なくとも20%減少される速度で酸を捕捉するように、油とフィルタエレメントを接触させる工程 を含む。] [0118] 前記フィルタ・エレメント・マトリックス内でのそれらの保持を促進するために、間隙空間の平均断面より大きい最小単位寸法を有する強塩基フロックを形成する。粒子表面を被覆し、かつ利用可能な粒子表面積を減少させる傾向があるラテックスなどの結合剤ではなく、凝集剤を使用して、強塩基粒子をフロック化して、油中の酸の捕捉に有用な強塩基粒子の表面積を最大にする。概して中和/捕捉能力を犠牲にしてフィルタマトリックスに強度を与える結合剤が実質的に無い状態で、本発明は、好ましくは、多孔質裏打ちシート、スクリムまたは他の支持材を用い、それによって、油または燃料中の酸を捕捉し、かつ/または中和する本発明のフィルタエレメントの能力を最大にする。本発明に記載する捕捉能力を達成するために、強塩基粒子は、好ましくは、Hg圧入ポロシメトリーによって測定して少なくとも10m2/グラムの全表面積を有するであろう。] [0119] 一般に、様々な好ましい実施形態において、本発明の方法は、前記好ましいフィルタエレメント実施形態の少なくとも1つを用いる。例えば、一部の好ましい実施形態において、前記方法は、酸化マグネシウムを含むフィルタエレメント内の強塩基粒子を用いる。] [0120] 他の好ましい実施形態において、前記フィルタエレメント多孔質裏打ちシート材料は、ASTM法D828を用いて測定して1インチ(約2.54センチメートル)あたり少なくとも約5ポンド(約2268g)の乾燥引張強度を有する。] [0121] 実験セクション 酸除去手順についての静的試験(全酸価数(Total Acid Number:TAN)の測定) 既知質量の鉱物油(AlfaAesar−米国、01835、マサチューセッツ州Ward Hill、30 Bond StreetのA Johnson Matthey Company、800−343−0660、CAS 8020−83−5)をビーカーに量り入れた。次に、その結果として得られた溶液の全酸価数(Total Acid Number:TAN、ASTMD−664によって測定したときのもの)をその目標値にするために十分なオクタン酸(98%、Alfa Aesar−英国、LA3 2XY、ランカシア州Heysham、Port of Heysham Industrial Park、Shore RoadのJohnson Matthey Company、CAS 124−07−2)を同じビーカーに量り入れた。その後、その溶液を入念に攪拌して均質溶液を得た。] [0122] その後、合計90.0グラムのこの保存溶液を4オンス(約113.4g)ガラスジャーに量り入れた。予備計量した濾材の一片を添加し、アルミニウムで裏打ちした蓋でそのジャーを密封した。濾材を含有しないブランク溶液も調製した。その後、その濾材に完全に含浸するようにおよびその溶液を十分に混合するようにジャーを振盪した。その後、ジャーを浅いトレイの中に置き、摂氏110度に予熱した強制空気炉(Model 1305U、米国、97113、オレゴン州Cornelius、300N 26th AvenueのVRW International,Sheldon Mnufacturing)に入れた。その後、ジャーが入っているトレイを30分ごとに取り出して暫時振盪して、その溶液を混合した。] [0123] その炉内での4時間(または記述しているとおり、他の時間)の後、ジャーを取り出した。60mLの容量をそれぞれのジャーからデカントし、遠心分離機(International Clinical Centrifuge,Centrifuge Model CL、米国、02494、マサチューセッツ州(MA)Needham、300 2nd AvenueのInternational Equipment Company)の中に配置した。その溶液を5分間でおよそ3200rpmで回転させ、その後、その溶液を清浄なサンプルバイアルへとデカントした。その後、その溶液を、ASTMD 664−06(電位差滴定法による石油製品の酸価数についての標準試験法)において指定されているように全酸価数について分析した。] [0124] 表3は、本発明の特定の態様において数ある中でも有用である、市販の凝集剤およびミクロ粒子の非限定的リストを提供するものである。これらの凝集剤は、本発明のフィルタエレメントを構成することができるフロックの作製に有用である。本発明のフィルタエレメントに後で溝を付けることができ、またはケミカル・オイル・フィルタで使える形状に別様に成形若しくは変形することができる。] [0125] ] [0126] ] [0127] Formette Dynamique自動動的手すきシート形成機(Automated Dynamic Handsheet Former)を使用する濾材の作製] [0128] 保持助剤調製 表1および2に列挙するすべての保持助剤(Retention Aid:RA)材料は、水中1重量%溶液を作ることによって調製した。そうするために、3グラムのRAを297グラムの水道水に添加し、その後、エマルジョンを確実に適切に逆転させるように、および/または溶液を確実に均一に分散させるように激しく攪拌した。それらの溶液を最低30分間、熟成させた。] [0129] セルロースパルプ調製 高濾水性南部針葉樹晒クラフトパルプを使用して、Vallery Beaterで最低限精製しながら、セルロース繊維を1.5重量%の濃度に分散させた。] [0130] 合成ポリマー調製 フィブリル化繊維またはガラス繊維を表1に明記する量で2リットルの水道水に添加し、2分間、ブレンダ(オハイオ州LancasterのThe Herman Manufacturing Company)で攪拌して分散させた。その後、ポチエチレン繊維および500ミリリットルの水道水を添加し、さらに2分間攪拌した。その後、このスラリを8リットルの攪拌1.5重量%パルプに添加した。その後、併せたスラリを5分間、激しく攪拌し、表2において指定されている場合には5分後に凝結剤を添加した。その後、その混合物をさらに最低5分間、激しく攪拌した。] [0131] ] [0132] ] [0133] ] [0134] MgOスラリ調製 別途、250グラムのMagchem 50(27607、ノースカロライナ州Raleigh、LLC 2710 Wycliff RoadのMartin Marietta Magnesia Specialties)を2リットルの水道水に攪拌しながら添加した。その後、凝集剤(単数または複数)をゆっくりと添加し、凝集を観察した。その後、このフロック化したMgOスラリを繊維スラリにゆっくりと添加し、さらに約5間、攪拌した。その後、そのスラリを8リットルの水道水でさらに希釈して、以下で記載するようにシートにした。] [0135] シート形成 Formette Dynamique自動動的手すきシート形成機(30071、ジョージア州Norcross,5970Unity Drive,Suite EのTECHPAP,Inc.、(770)734−0442)を使用してサンプルを作製した。形成前に、REEMY 2024スパンボンドポリエステルの裏打ちシートを、このシートを形成し次第、Formette Dynamiqueドラムに裏打ちした。2バール(約200000パスカル)のポンプ圧を用いてその装置を動作させてノズルにパルプを供給し、回転ドラムを900メートル/分の速度で動作させた。形成したら、その複合シートの水分を吸取り、乾燥させた。] [0136] エンジン試験において使用する濾材の作製手順 以下の手順に従って約30×30cmのシートを作った:酸化マグネシウム(Martin Marietta Mag Chem 50)を脱イオン水に添加して、およそ0.5重量%のスラリを形成した。プロペラ型の実験室用攪拌機を低速で使用して、そのスラリを分散させた。この混合物に、表3に記載するものなどの高分子量凝集剤を約0.1重量%の凝集剤濃度で酸化マグネシウムに添加した。凝集剤を添加し次第、酸化マグネシウムは合着した。別途、脱イオン水中約0.3重量%のセルロース繊維(針葉樹または広葉樹パルプ)を含有するスラリをWaringタイプの市販ブレンダにおいて40秒間分散させた。そのスラリを約0.31重量%にするために十分な量のブレンダ繊維、例えばポリエチレンUL 410(テネシー州JohnsonCityのMinifibers,Incから入手可能)、をそのスラリに添加し、さらに40秒間分散させた。その後、Reemay(登録商標)2055などのスクリム材料の30×30cmシートを手すきシートマシンの底部に配置した。その後、繊維含有スラリをその手すきシートマシンのヘッドボックスに移し、4倍希釈した。その後、酸化マグネシウムスラリをその手すきシートマシンのヘッドボックスに写し、混合パドルでの8〜10回の上下ストロークを用いて手で入念に混ぜた。その混合物を重力排水してシートを形成した。その形成後にシートに保持されていた過剰な水の大部分を、真空を利用して除去した。その後、その湿潤シートをブロッタ間に配置し、ピッチローラ間に1回通した。その後、そのシートを115℃のドラムドライヤの上に配置して3〜4回通過させた。] [0137] 上のプロセスから作ったシートは、ASTM法D 586(パルプ、紙および紙製品における灰についての標準試験法)に従って摂氏525度で灰にしたとき、約45重量%MgOを含有する紙をもたらす結果となった。このプロセスは、水と紙の質量バランス分析に基づき排水へのMgOの喪失10%未満という結果にもなった。実質的に上記で記載したとおりのプロセスによって作ったシートのさらなる分析により、表4に示すデータを得た。表4は、フィルタ・エレメント・マトリックス内に強塩基を保持するために凝集剤ではなくラテックス結合剤を使用するフィルタエレメントから比較データも示す。] [0138] ] [0139] 濾材でのMgOの凝集手順 濾過した水道水を使用して、表5に示す凝集剤製品の0.5重量パーセント溶液/分散液を調製した。すべての溶液を少なくとも30分放置して逆相エマルジョンを正しく逆転させ、激しく振盪して均一な分散を確保した。その後、5グラムのMagchem 50(Martin Marietta)を量り出し、濾過した水道水を使用して200グラムに希釈した。その後、そのスラリを攪拌して均一な分散を達成した。] [0140] このスラリに、表5に示す量の0.5重量パーセント分散剤を、それを容器に量り入れることによって添加した。多数の成分を使用する場合には、添加の順序をその表に示す。ミクロ粒子保持助剤系については、カチオン性ポリアクリルアミドを先ず添加し、その後、1分間、Waringタイプの実験室用プロペラブレンダを使用してそのスラリを剪断した。コロイド状シリカの溶液を添加し、続いてミクロポリマーを添加した。その後、そのフロック化した溶液を、真空を利用して濾材(Fiberweb,Inc.から入手できるSynergex(登録商標)6140)で濾過して脱水した。Hg圧入ポロシメトリーによる表面積の分析前に、それらのサンプルを摂氏105度のオーブンで一晩、乾燥させた。] [0141] ] [0142] 燃焼酸を捕捉する、潤滑油の酸化安定性を維持する、および/または長期間にわたって過剰な摩耗からエンジンを保護する強塩基フィルタの能力を2つのエンジン試験で評価した。Lister Petter TR1エンジンを両方の試験に使用した。Lister Petterエンジンは、5.5kWの最大出力および0.773Lの排気量を有する単シリンダエンジンである。このエンジンは、直接燃料噴射で自然吸気され、EGR(exhaust gas recirculation system:排気ガス再循環システム)を有さず、および2.4Lの潤滑油サンプ容量を有する。試験1は、318時間実行し、エンジン製造業者によって推奨されているフィルタを使用した。試験2は、750時間実行し、プリーツ型フィルタに成形した表1からの濾材サンプル#2を使用し、Lister Petter TR1エンジン用に推奨されているフィルタ、Lister Petterフィルタ201−55370に類似した濾材寸法を有する再使用可能Parker Racor modelLFS 331再使用可能フィルタ容器に挿入した。それらのフィルタ寸法は類似していたが、サンプル#2からの濾材についての表面積のほうが、試験1において使用した推奨Lister Petterフィルタからのものよりわずかに小さかった。15ppm Sディーゼル燃料およびSAE40W 1.4%硫酸灰分潤滑油を用いて1800rpm、100%フルパワーで両方の試験を実行した。これら2つの試験における油消費量は類似しており、試験1については3.61g/時および試験2については3.51g/時、ならびに両方の試験について、煤形成速度は類似しており、平均油温および燃焼消費量は等しかった。] [0143] ASTMD−664 TBN試験によって測定した場合の、洗浄剤を消費する強酸の捕捉についての前記強塩基フィルタの驚くべき効力を図5に示す。前記強塩基フィルタを使用する試験2についての傾きは、製造業者によって推奨されているフィルタを使用する試験1のものの二分の一である。試験1に対する試験2についての傾きの二分の一の減少は、試験1ではすべての燃焼酸が洗浄剤によって捕捉されるのに対して、試験2では燃焼酸の半分が強塩基フィルタフィルタ内に捕捉され、半分が洗浄剤によって捕捉されることを意味する。多くのディーゼルトラック所有者はTBNが半分に低減されると潤滑油を交換するので、このデータの含意は、潤滑油交換間隔を少なくとも倍にすることができ、有意な経済的および環境的節約を伴うということである。] 図5 [0144] 現行の潤滑技術は、大部分、ASTMD−664 TAN試験によって測定される弱酸の中和に効果がない。これは、新しい潤滑油、すなわちエンジンの中にまだ入れていない潤滑油が、その潤滑油が塩基性添加剤、すなわち洗浄剤および分散剤の全充填量を有するにもかかわらず、相当なTANを有することを考えると明らかである。TANによって測定される弱酸を、少なくともある程度、中和する能力を潤滑システムに加えること、すなわちケミカル・オイル・フィルタを潤滑油システムの一部とみなすことが本発明の意図である。弱酸を中和する強塩基フィルタの能力は、添付の特許請求の範囲に記載するようなフィルタにおける強塩基の表面積最適化および実施容易性の結果である。弱塩基を中和する現行の洗浄剤の能力は、洗浄剤強塩基が界面活性剤シールドの下に埋もれてしまうことで低下される。この界面活性剤シールドは、コロイド分散状態で洗浄剤を維持するために、および洗浄剤と潤滑油の分離を保持するために必要である。オイルフィルタに弱酸を中和する能力を加えることがその意図であるにもかかわらず、図6に示すような試験1および2において立証されるこの能力の程度は、驚くべきものである。強塩基フィルタでの試験2は、標準フィルタでの試験1より著しく低い傾き、すなわち遅いTAN増加速度、を有する。弱酸は、燃焼室における燃料の酸化によって生成されてブローバイガスによって潤滑油に入る場合もあり、または潤滑油の酸化によって生成される場合もある。中和されていない弱酸は、摩耗防止および酸化防止添加剤の分解に関与する可能性がある(例えば、「ZnDDPthermal decomposition is acid−catalyzed but not accelerated by the presence of Oxygen」.C.E.Legate and H.D.Burnham.Anal.Chem.32(1960)1042参照)ため、弱酸の中和は重要である。本出願人は、ケミカル・オイル・フィルタが、弱酸形成の速度上昇を低下させるならば、摩耗防止添加剤の有効性も酸化防止添加剤の有効性も向上させるであろうと考えた。] 図6 [0145] 図7は、ASTMD 4172 B 4球摩耗試験によって測定したときの試験1および2についての磨耗の比較である。強塩基フィルタを使用する試験からのサンプ油についての磨耗痕のほうが、試験2での試験実施750時間後、標準フィルタを使用する試験1での潤滑油の2つの試験における試験実施440時間後より小さい。強塩基フィルタでの試験2における酸化レベルが、標準フィルタでの試験1におけるものより低いことは、図8からわかる。酸化レベルは、赤外スペクトルにおけるカルボニル吸収の測度である。図6におけるTANの増加の比率は、図8における酸化レベルの比率増加に非常に近い。] 図6 図7 図8 [0146] 本書類において引用または記載したそれぞれの特許、特許出願および出版物の開示は、それら全体がそれらの参照により本明細書に組み込まれる。] 実施例 [0147] 当業者であれば、本発明の好ましい実施形態に数多くの変更および修正を加えることができ、また、本発明の要旨を逸脱することなくそのような変更および修正を行うことができることを理解するものである。従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の要旨および範囲内に入る均等の変型実施形態すべてを包含することを意図する。]
权利要求:
請求項1 濾材において使用する強塩基性フロックであって、酸化マグネシウム若しくは酸化亜鉛、またはそれらの組み合わせを含有し、かつ約0.1〜約10マイクロメートルの平均粒径を有する強塩基粒子と、高分子量凝集剤とを有し、前記凝集剤と前記強塩基粒子の接触から形成される前記フロックは約10マイクロメートルより大きい平均断面距離を有し、前記フロック化した強塩基粒子は、Hg圧入ポロシメトリー(Hgintrusionporosimetry)によって測定される固有表面積の少なくとも約40%を保持するものである強塩基フロック。 請求項2 請求項1記載の強塩基粒子において、前記フロックは、Hg圧入ポロシメトリーによって測定される固有表面積の少なくとも約60%を保持するものである。 請求項3 請求項1記載の強塩基フロックにおいて、前記強塩基粒子は、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、またはそれらの組み合わせを含むものである。 請求項4 請求項3記載の強塩基フロックにおいて、前記強塩基粒子は、酸化マグネシウムを含むものである。 請求項5 請求項1記載の強塩基フロックにおいて、前記高分子量凝集剤は、ポリアクリルアミドである。 請求項6 請求項1記載の強塩基フロックにおいて、前記高分子量凝集剤は、ポリエチレンオキシドである。 請求項7 請求項1記載の強塩基フロックにおいて、前記高分子量凝集剤は、前記フロック中の強塩基粒子の約1.5重量%未満の濃度を有するものである。 請求項8 請求項1記載の強塩基フロックにおいて、この強塩基フロックは、さらに、ミクロ粒子またはナノ粒子保持助剤を有するものである。 請求項9 請求項8記載の強塩基フロックにおいて、前記ミクロ粒子またはナノ粒子保持助剤は、コロイド状シリカ、スメクタイト系粘度鉱物、および有機ミクロポリマーのうちの少なくとも1つを含むものである。 請求項10 油、流体または燃料からの酸を捕捉するフィルタエレメントであって、機械的に連結する構造繊維と間隙空間とで構成されたマトリックスと、前記油または燃料からの酸を捕捉するマトリックス内に配置された請求項1記載の強塩基粒子であって、前記間隙空間の平均断面より小さい平均粒径を有するものである前記強塩基粒子と、前記マトリックス内で形成される強塩基粒子フロックを保持する請求項1記載の高分子量凝集剤とを有し、1)形成される前記強塩基粒子フロックの最小単位寸法は、前記間隙空間の平均断面より大きいものであり、2)前記強塩基粒子は、前記機械的に連結する繊維に実質的に付着しておらず、前記マトリックス内で物理的に結合しており、3)前記マトリックスに前記強塩基粒子を化学的に結合するラテックスは実質的にないものであり、4)前記強塩基粒子は、前記フィルタエレメントの少なくとも30重量%を構成するものであるフィルタエレメント。 請求項11 請求項10記載のフィルタエレメントにおいて、前記凝集剤は、少なくとも約100,000の分子量を有するものである。 請求項12 請求項11記載のフィルタエレメントにおいて、前記凝集剤は、少なくとも約1,000,000の分子量を有するものである。 請求項13 請求項10記載のフィルタエレメントにおいて、前記マトリックスは、さらに、フィブリル化された構造繊維若しくは構造繊維部分、およびフィブリル化された、またはフィブリル化されていない細径繊維若しくは細径繊維部分から選択される少なくとも1つの第二の機械的に連結する繊維、またはそれらの組み合わせをさらに有するものであり、前記少なくとも1つの第二の繊維の総量は、前記フィルタエレメント中に存在する構造繊維の総量の約10重量%未満である。 請求項14 請求項10記載のフィルタエレメントにおいて、前記強塩基粒子含有マトリックスは、静的試験(StaticTest)の測定によりフィルタエレメント1グラムあたり少なくとも約13ミリモルのオクタン酸の全酸捕捉能力を有するものである。 請求項15 請求項10記載のフィルタエレメントにおいて、前記構造繊維は、セルロース系繊維、木材繊維、ガラス繊維、若しくは合成繊維、またはそれらの組み合わせを含むものである。 請求項16 請求項15記載のフィルタエレメントにおいて、前記合成繊維は、ポリエステル、ポリニトリル、およびポリオレフィン繊維のうちの少なくとも1つ、またはそれらの組み合わせを含むものである。 請求項17 請求項10記載のフィルタエレメントにおいて、前記構造繊維は、直径約10〜60マイクロメートルの範囲の直径を有するものである。 請求項18 請求項13記載のフィルタエレメントにおいて、前記細径繊維または細径部分は、約0.05マイクロメートル〜約10マイクロメートルの範囲の直径を有するものである。 請求項19 請求項10記載のフィルタエレメントにおいて、前記凝集剤は、全固形分の約1.5重量%未満のレベルで前記フィルタエレメント内に存在するものである。 請求項20 請求項10記載のフィルタエレメントにおいて、前記凝集剤は、全固形分の約0.5重量%未満のレベルで前記フィルタエレメント内に存在するものである。 請求項21 請求項10記載のフィルタエレメントにおいて、前記フィルタエレメントに含まれている前記強塩基は、前記フィルタエレメントの少なくとも約40重量%を構成するものである。 請求項22 請求項10記載のフィルタエレメントにおいて、前記フィルタエレメントに含まれている前記強塩基は、Hg圧入ポロシメトリーによって測定により少なくとも2000m2の表面積を有するものである。 請求項23 請求項10記載のフィルタエレメントにおいて、前記濾過される油は、潤滑油、エンジン油、変圧器油、トランスミッション液、作動液、タービン油、金属加工液、または食用油である。 請求項24 請求項10記載のフィルタエレメントにおいて、前記燃料は、バイオディーゼル燃料を含むものである。 請求項25 請求項24のフィルタエレメントにおいて、前記フィルタエレメントによる前記バイオディーゼル燃料の濾過は、ASTM法D664によって測定される全酸価数を少なくとも約0.5に低下させるものである。 請求項26 請求項10記載のフィルタエレメントにおいて、前記フィルタエレメントは、さらに、ASTM法D828によって測定された1インチ(約2.54センチメートル)あたり少なくとも約5ポンド(約2268g)の乾燥引張強度を有する多孔質裏打ちシートをさらに有するものである。 請求項27 油循環システム内で酸または中和された酸を含有する油から酸を捕捉するための方法であって、前記油循環システム内で油をフィルタエレメントと接触させる工程を有し、前記フィルタエレメントは、機械的に連結する構造繊維と間隙空間とにより形成されたマトリックスと、前記油から酸を捕捉する前記マトリックス内の強塩基粒子であって、前記間隙空間の平均断面より小さい平均粒径を有するものである、前記強塩基粒子と、前記マトリックス内で形成される強塩基粒子フロックを保持する高分子量凝集剤とを有し、1)形成される前記強塩基粒子フロックの最小単位寸法は、前記間隙空間の平均断面より大きいものであり、2)前記強塩基粒子は、前記機械的に連結する繊維に実質的に付着しておらず、前記マトリックス内で物理的に結合しており、3)前記マトリックスに前記塩基粒子を化学的に結合するラテックスは実質的にないものであり、4)前記強塩基粒子は、前記フィルタエレメントの少なくとも30重量%を構成するものであり、前記フィルタエレメントは、前記酸の少なくとも一部分を前記フィルタエレメント内に前記強塩基粒子と共に残存させるものであり、前記強塩基を含むフィルタエレメントは、Hg圧入ポロシメトリーによって測定される少なくとも10m2/グラムの総表面積を有するものである方法。 請求項28 請求項27記載の方法において、前記酸または中和された酸を含有する油は、内燃機関の前記燃焼および潤滑システムにおいて発生するものである。 請求項29 請求項27記載の方法において、前記油とフィルタエレメントを接触させる工程は、塩基を含まないフィルタエレメントと接触している油の酸化速度と比較して前記油の酸化が少なくとも約20%減少されるような速度で酸を捕捉することを含むものである。 請求項30 請求項27、28または29記載の方法において、前記フィルタエレメント内の前記強塩基粒子は、酸化マグネシウムを含むものである。 請求項31 請求項27、28または29記載の方法において、前記フィルタエレメントは、ASTM法D828によって測定された1インチ(約2.54センチメートル)あたり少なくとも約5ポンド(約2268g)の乾燥引張強度を有する多孔質裏打ちシートをさらに有するものである。 請求項32 少なくとも1つの油の中の酸または中和された酸を捕捉するフィルタエレメントを作製する方法であって、水、水混和性溶剤またはそれらの組み合わせの中で強塩基粒子をスラリ化する工程と、高分子量凝集剤を添加して、前記強塩基粒子をフロック化する工程と、構造繊維、若しくは構造繊維部分、または細径繊維、若しくは細径繊維部分、またはそれらの組み合わせを前記スラリに添加して、前記強塩基粒子のフロックが分散されている繊維マトリックスを形成する工程と、前記繊維マトリックスを裏打ちシート材料と接触させる工程と、水、水混和性溶剤またはそれらの組み合わせを実質的に除去する工程と、前記裏打ちシート材料上に前記繊維マトリックスを堆積させる工程とを有する方法。 請求項33 請求項32記載の方法において、前記フィルタエレメント内の前記強塩基粒子は、酸化マグネシウムを含むものである。 請求項34 請求項32記載の方法において、前記フィルタエレメント多孔質裏打ちシート材料は、ASTM法D828によって測定された1インチ(約2.54センチメートル)あたり少なくとも約5ポンド(約2268g)の乾燥引張強度を有するものである。
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